プロフェッショナル・サービス・グループ

目次

0.本書の目的

本書は、メール配信を行うオペレータが最初に読むマニュアルであり、特定のメール配信システムの操作方法を解説するものではなく、メール配信の基本的知識やそこに潜む危険性、メール配信オペレーションの基本的心構えを説明することを主目的とする。本書の後に、メール配信システムごとの個別の操作マニュアルが展開される。

1.メール配信オペレーション 基本編

1-1.メール配信サービス/メール配信システムとは

本書でメール配信サービスとは、一斉メール配信などの様々なメール配信を、インターネットを用いたクラウド型で提供しているサービスのことを指し、メール配信システムとは、各メール配信サービスが使用しているシステムのことを指す。自前でメール配信のためのサーバーやシステムを構築する方法に対して、安価かつ用意にメール配信を行うことができるのが特徴であり、主なメール配信シスステムとその提供元(プロバイダ)としては、以下のものが有名である。

  • AltoMarketing?|email(Experian Japan)
  • MailPublisher?(Experian Japan)
  • FormFactory?(Experian Japan)
  • SPIRAL(パイプドビッツ)
  • blaynmail(ブレイン)

1-2.メール配信とは

  1. あるメールアドレス群(リスト)に対して、
  2. 同じ内容/ユーザごとに一部カスタマイズした内容のメールを、
  3. 特定の配信条件(即時配信、スケジュール配信等)のもとに送信し、
  4. その結果(送信結果、開封結果、クリック結果等)を集計すること

1-3.メール配信の詳細

1)メールアドレス群(リスト) メール配信サービスは、メールアドレスの扱い方で大まかに2通りに分けることができる。1つはメールアドレスなどの情報を予めデータベースに格納し、配信時にはそのデータベースから抽出してメールを送信する「データベース型」であり、もう1つは配信時に、送信するメールアドレスのリストを都度アップロードする「リストアップロード型」である。 データベース型には、SPIRAL、FormFactory?、blaynmailなどがある。リストアップロード型は、AltoMarketing?|emailが該当する。 どちらの形式かによって、メール配信のオペレーションは異なってくる。

2)メール メールの構成要素としては以下のものがある。

  • 件名/Subject ※字数制限がある場合がある
  • 差出人/From:外山 大< toyama@spaceship.co.jp>、など
  • 返信先アドレス/Reply-to ※差出人アドレスと同じ場合もある
  • メール本文:TEXT、HTML、その両方(マルチパート)など
  • その他:署名情報、添付ファイルなど

3)配信条件 メールを送信するタイミングとしては

  • 手動(配信したら即時に配信されるもの)
  • スケジュール配信(決められた時間になったら配信されるもの) とがある。

※このマニュアルでは一斉のメール配信について説明しているため、配信条件と言えば上記の2つの配信タイミングのことを指す。一方でメールには、フォームに入力した際に送られるお礼メールのように、ユーザがある特定の行動をとったときに送られる「トリガーメール」や、開封していないユーザに対して7日後に送られるリマインドメールのような、「シーケンスメール」や「ステップメール」(※配信システムによって呼び名が違う)などの種類がある。そのようなメールにおいては、配信条件の設定はより複雑となり、かつ慎重に行う必要がある。

4)配信結果 通常一斉メール配信を行った際には、以下の情報がシステムから自動的に報告される。但し開封やクリックなどを把握するには、配信後一定の時間が必要なものも多い。

  • 配信総数
  • 配信成功数/配信成功率
  • 配信エラー数(エラーには一時エラーと恒久エラーなどがある)/エラー率
  • 開封数(HTMLメールのみ)/開封率
  • クリック数/クリック率 (メール本文中のリンクをクリックしたのべの回数やユニークの人数。クリックカウントの設定が必要な場合がほとんど)

また詳細なレポートをみれば、メールアドレスごとに、送信成功かエラーか、開封したのかどうか、どのURLをクリックしたのかどうかなどを、追跡することが可能である。これらの項目の詳細については、アナリシスグループが別途まとめている「分析レポート虎の巻~メールマーケティング編~」を参照して欲しい。

1-4.メール配信における危険性

メール配信は、

  • 一度配信されてしまうとそれを止めることはできない
  • 一度配信されたメールを回収することはできない

などの特性から、以下のような危険性がある。

・メールの内容には個人情報に関連した内容が含まれることが多い(個人名などが本文中に含まれることもあるし、購入した商品に関する情報が含まれることもある)。そのようなメールが他の第三者に誤って送信されてしまうと、個人情報の流出につながる。

・件名や内容等に誤りがあった場合は、再度送り直す必要がある。ユーザにとって、ただでさえメールは嫌がられる傾向が高いので、このようなことがあると、メール送信者の印象は著しく低下し、最悪スパムリスト(メール受信拒否リスト)に登録してしまう。

またメール配信システムを扱うオペレータは、このような危険性があるメール配信を、安易に行えてしまうことの怖さを認識しておく必要がある。つまりは「自分の操作により大量の人に簡単にメールを送れてしまう」ことを常に意識することが大事である。  

1-5.メール配信オペレーションの基本

メール配信オペレーションの原則は「正しいメールアドレスに正しい内容を正しいタイミングで送信すること」。そしてあってはいけないことではあるが、「万が一ミスが発生した場合は、その原因が特定でき、同じことを起こさないための改善策を講じることができること」が重要である。またメール配信システムが「大量の人に簡単にメールを送れてしまうもの」であることから、そのID/パスワード等の管理の徹底や、実際にオペレーションを行うPC端末のセキュリティ対策の徹底が必要である。

具体的には、以下のことが基本となる。

■重要な項目は2人でチェックする(ダブルチェックの徹底)

オペレーションにおいては、オペレータのシングルチェックの精度の高さが求められることはいうまでもないが、どんなに注意してもミスは生じてしまうものであり、そのミスを防ぐための仕組み=ダブルチェックが必要となる。ただしダブルチェックがあるからといって、シングルチェックが甘くていいという訳では当然ない。 全ての作業を2人で行うことはないが、メールを実際に配信する設定を行う際など、重要かつ取り戻しのできない作業を行う時は、2人の人間がチェックしてから実行することを基本とする。

■チェックしたことは記録に残す(チェックシートの徹底)

1人でチェックするときも、2人でチェックする時も、チェックシートを活用し、また実際にチェックシートにチェックを入れていくことで、チェックした内容を記録に残すようにする。このことは、チェック者の意識を高めるだけでなく、問題発生時に何が原因であるかを特定する際にも必要である。 また配信システムを扱う際には、システム側にも操作の記録(ログ)が残っていることがほとんどである。チェックシートとログの双方を見ることで、ほとんどの原因は把握することができる。

■操作を行うPC端末を限定し、特定の人のみが操作する(セキュリティの徹底)

メール配信システムは大量の人に簡単にメールを送れてしまうので、そのシステムを利用するPC端末は限定して、そこに特定のユーザー(オペレーショングループのメンバー)しかアクセスできないようにする。 またそのPCを用いてメール配信システムを操作する場合は、ID/パスワードが必要となるが、定期的なパスワード更新を行うとともに、そのID/パスワードの情報の管理を徹底する必要がある。

メール配信は便利な手段である一方、その便利さゆえに危険性もあることを十分に理解し、常に一定の緊張感を持ってオペレーション業務を実施して欲しい。


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2017-12-15 (金) 11:47:12 (338d)